この記事では、アドラー心理学における「原因論」と「目的論」という考え方について解説しています。
アドラー心理学では、「人は過去の原因に動かされているのではなく、目的を果たすために動いているのだ」という考えをします。
この記事では、
・目的論とは何か?
・どのような考え方であるか
そして自分が何かしらの目的を持って行動していることを知り、自分自身を見つめ直すことが大切であることを紹介しています。
【アドラー心理学】②主体論については
コチラ
原因論と目的論
それでは原因論と目的論について、見てみましょう。
原因論とは
「人は過去の原因(トラウマ・怒り・劣等感)により行動・思考する」という考え方で、
自分の現在の状況は過去の行動の結果によるものだということです。
みなさんは美味しいアイスクリームが大好きだと思います。
でも、なぜアイスクリームが好きなのでしょうか?
ある子供が小さい頃、お祭りに行ったとします。
その時に初めてアイスクリームを食べてみたら、とってもおいしかったとすると、
その美味しい味と楽しい思い出が、その子の記憶に残っています。
そして、その子が大きくなってまたアイスクリームを見ると、
その楽しい思い出や美味しい味を思い出すでしょう。
だから、アイスクリームが好きになるんです。
過去のお祭りでの経験が、その子の今のアイスクリームへの好きな気持ちに影響を与えているのです。
目的論とは
「人は現在の目的を達成するために沿って行動・思考する」という考え方で、
現在の状況はその目的を達成するための手段であるということです。
例えば、自転車に乗って友達の家に行くとするすると、
その「目的」は友達の家に行くことになります。
そのためには自転車に乗らなければなりません。
ここで言う「自転車に乗る」という行動は、目的を達成するための手段だと考えられます。
友達の家に着くためには、自転車に乗ることが必要となります。
目的論的考え方の例
それでは、目的論的な考え方を具体例を挙げて見てみましょう。
目的論的な考え方をすると、
・なぜそれをするのか?
・何を達成したいのか?
という目標を明確にすることで、効率的に行動することができるようになります。
例:学校に行きたくない
例えば、子どもが学校に行かないとします。
私たちは、子どもの行動(不登校)にはなにか理由があると考えます。だから、その理由(原因)を知りたいと思うのです。
・学校でいじめられる
・先生が怖い
・甘えている
しかし、行動の理由は「原因」だけではありません。
「何のためにその行動をするのだろう?」という観点です。
そう考えると
「この子は何のために学校に行かないのだろう?」という問いが出てく来るはずです。
・自分が傷つきたくない
・何かしらのトラウマから逃げたい
・親の気を引きたい
その結果、
「傷つきたくない・自分を守る・親の気を引きたい」を言い訳にして
「学校に行かない」という行動を取っていることになります。
例:告白できない
好きな彼に告白できない少女がいたとします。
彼女が告白できない原因を考えると、
・別の人にフラれた
・過去にバカにされた
・赤面症
となります。
しかし、「何の目的で告白しないのだろう?」と考えてみると、
・嫌われたくない
・傷つきたくない
その結果、
自分のコンプレックスである「赤面症」を言い訳にして、
「告白しない!」という行動を取っていることになります。
では、なぜわざわざコンプレックスを持ち出すのでしょう?
それは、告白することによって嫌われたくない・傷つくのが怖いからです。
このままコンプレックスを持ち続けていれば、永遠に告白しないで済むので、傷つくこともないというわけです。
まとめ
アドラー心理学では、「どんな目的のためにその行動を選んでいるのか?」と問いかけることの大切さを学ぶことができます。
原因論的な思考で追い詰められ、うつになる人も多い現代社会において、
目的論的な思考をすることで、ポジティブに考えることができます。
今一度自分の考え方を見直してみませんか?